Case7
遠く離れてすんでいる親が亡くなりました。

兄弟が相続財産を隠しているようだがどうすれば?

「面倒を見たから」遺産を多くもらっていいとは限りません。

就職や結婚で実家と遠く離れて暮らし、忙しさにまぎれて疎遠になっているというのはよくあることです。そうこうするうちに親が遺言書を残さず亡くなり、高齢の親に代わって財産管理をしていた兄弟から、これがお前の分だと示された遺産が、予想よりはるかに少なかったらどうでしょう。「本当にこれだけしかないの?」と疑うのは当然です。

解決への3つのポイント

正確な遺産総額を確定し、期限内に申告・納付します。
ポイント1

遺言書や契約書がないか確認

遺言書がなければ遺産分割協議をする必要があります

財産管理をしている兄弟に一方的に相続分を提示されても、言いなりになる必要はありません。遺言書や、介護や生活支援にいくら払うという親子の契約書の様なものがないか、あらためて確かめましょう。公正証書遺言を作っている場合は、公証役場に問い合わせれば存在がわかります。有効な遺言書や契約書がなければ、兄弟は、法定相続分で平等に相続するのが原則です。

ポイント2

隠し財産の有無を確認

税務調査でみつかれば追徴課税の可能性も

財産隠しや生前贈与は、税務署の調査でバレる可能性が高く、その場合、隠していた本人はもちろん他の相続人にも追徴課税の可能性が出て来ます。その意味からも、遺産総額を把握する必要があります。
隠し口座などを探したり、親の預貯金を不当に引き出していないか調べる(入出金履歴や領収書、場合によっては親のカルテなどを取り寄せる必要があります)のは、知識や経験がないとむずかしく、手間もかかりますので、相続問題に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。

ポイント3

相続税の申告期限に間に合わせる

いったん申告・納税してから、修正する方法も

相続財産の総額がわかれば、財産目録を作成し、遺産分割協議で各自の相続分を算出し直します。相続税の申告・納税期限は、被相続人の死を知った日の翌日から10ヶ月以内ですから、間に合いそうにない場合は、①当方が把握している相続財産を前提に、未分割として申告・納税する(申告する相続人によって相続財産が異なり税務調査の対象となりやすくなります)、②相続財産の総額や明細を他の相続人と認識を一致させた上で未分割として申告・納税する(分割協議には時間がかかるものの、相続財産の範囲について争いが無い場合はこちらで進めます)のいずれかで対処し、遺産分割協議が整った段階で税金の過不足を税務署に申請して取り戻し(更正の請求)、または追加で納税(修正申告)します。こういった一連の作業は、法と税務の知識が必要ですので、弁護士や税理士にご相談ください。

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  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。