自己破産するとどうなる?失う権利や財産、家族への影響などを全解説
個人破産
2023 . 08.31
個人破産
2023 . 08.31
たちばな総合法律事務所
税理士法人羽賀・たちばな 代表税理士
弁護士・税理士 山田 純也
大阪弁護士会所属/登録番号:38530
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:145169
東京国税局(国税専門官)で銀行/証券会社などの税務調査に従事。弁護士資格取得後、大阪国税不服審判所(国税審判官 平成25年~同29年)として国際課税、信託に係る案件、査察関連案件等に従事し、企業内弁護士を経て現職。破産管財人業務経験があり、法人破産、代表者個人の借金問題への対応実績多数。
この記事でわかること
目 次
このコラムでは、自己破産による申立本人の影響、ご家族への影響の範囲についても解説しています。
自己破産をするかどうかでお悩みの方は、ぜひご覧ください。
裁判所の自己破産手続きで「免責許可決定」を受けることができれば、借金は免除されます。
これは自己破産の最大のメリットになりますが、デメリットもあります。
自己破産をすることで「何ができなくなるのか」「家族に迷惑をかけないか」といった不安を感じている人もいるでしょう。
このコラムでは、自己破産をすることで、あなたの生活にどのような影響があるのかについて徹底解説をしていきます。
一般的に「自己破産」というと「個人」の方の破産手続きをイメージされる方が多いと思います。
破産手続きは「破産法」と呼ばれる法律により定められています。
破産法上では、手続きについて個人・法人の区別はされていません。
本コラムでは、「個人」の方の自己破産手続きについて解説します。
自己破産は、裁判所を利用した借金免除のための手続きです。
実は、自己破産申立てによる破産決定だけでは借金の支払い義務の免除の効果を受けることはできません。
免責許可の申立をおこない、裁判所に免責を認めてもらう必要があります。
一般的に、個人破産の場合、破産申立(破産手続開始申立)と同時に、免責許可申立をおこないます。
あらかじめ申立てしておくことで、破産決定後にそのまま免責許可の手続きに移ります。
債務整理の方法は、主に① 借入先である債権者との任意の話し合い(任意整理)、② 個人再生手続き(法的に圧縮した負債を、原則3年で返済)、③ 自己破産の3つがあります。
これら借金整理方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。
そのため、ご自身の状況によって、最適な方法を利用するとよいでしょう。
あなたの生活に大きな影響があるメリット、デメリットは次の通りです。
借金の免責(返済の義務がなくなる)
最大のメリットは、自分の借金の支払義務が免除されることです。
ただし、免除の対象にならない債権などもあります。
税金や子どもの養育費などについては、支払いを免れることはできません。
参照|非免責債権(免責の対象にならないもの)の一例
✅ 公租公課(税金のこと。住民税、固定資産税など)
※ 生活保護を受給者の方は、所定の手続きにより減免(減額と免除)を受けられる場合があります。
✅ あなたが加害者となって与えた不法行為にもとづく損害賠償請求権
(悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権や故意・重過失により他人の生命・身体を傷つけたことによる存賠償請求権)
✅ 婚姻費用(夫婦の別居期間中における生活費の支払い)
✅ 子どもの養育費
✅ 個人事業主の従業員への未払い給与
✅ 破産手続きで、わざと裁判所に知らせなかった債権者からの借入れ
根拠条文 破産法253条1項
なお、法人代表者として、法人とともに破産をした場合に、税務署から法人の滞納税金を代表者個人に支払いを求めるようなケースがあります。
法人と個人は人格がわかれているため、原則的に法人の滞納税金を支払う必要はありません。
ただ、破産前に法人の税金を分納や支払猶予を受けるために、代表者個人が納税保証書を提出している場合には、第二納税義務者として法人の滞納税金を支払いが残る可能性がありますので注意が必要です。
取立ての停止(督促が停止)
破産手続きの多くは、弁護士や司法書士に依頼されています。
例えば弁護士が代理人となり、自己破産することを債権者に連絡することで、本人への督促は停止します。
弁護士が債権者・取引先の窓口となるため、対応の一切から解放されます。
参照|日本弁護士連合会「2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査」
破産事件の調査対象者1240人の90.56%は、弁護士が代理人となって申立てしています。
なお、7.58%の方は司法書士を代理人としています。
(引用 2 破産事件処理の実態 (1) 申立代理人の有無)
訴訟の進行停止
破産申立て後に破産手続きを開始する決定がされると、申立人である破産者を当事者とする訴訟は進行が停止します。
ただし、停止になる訴訟は、破産財団に属する財産が対象となるものだけです。
破産財団とは、破産者の財産の集まりのことで、債権者の配当の原資となるものです。
そのため、離婚訴訟などの手続きは中断しません。
給料の差押え解除
給料の差押えを受けている場合でも、破産手続き開始決定や免責許可決定が出ることで、差押えは失効・解除されます。
これにより給与全額を受け取ることができるようになります。
なお、公租公課(税金)の滞納処分にもとづく差押えの場合には、破産手続開始決定が出たとしても差し押さえが解除されることはありません。
自己破産手続きによるデメリット、生活への悪影響は次のものがあります。
財産の処分
自己破産する場合でも、財産を全て処分する必要はありません。
生活再建のために必要な一定度の財産を手元に残すことができます。
これを自由財産と言います。
家具、家電製品(エアコン、洗濯機、冷蔵庫など)といった生活必需品は没収されません。
自由財産の対象となるもの、その内容について、次の記事でくわしく解説しています。
原則、処分対象となる財産は換価処分し、そのお金は債権者への配当原資になります。
新たな借入れ制限
銀行や信用金庫などの金融機関、消費者金融、信販会社、カード会社は個人信用情報登録機関に加入しています。
契約者の信用情報を共有しています。
返済の遅延や滞納、自己破産で官報に掲載された際などに事故情報が登録されます。
信用情報は、新規申込などの与信審査の資料として利用されます。
そのため、自己破産したことが分かると、新たな借り入れができない場合があります。
信用情報に悪影響
信用情報登録機関の設立目的は、返済能力を超えるような貸付が生じないよう、信用情報を加入する金融機関等に提供することで、消費者を保護するためです。
自己破産により登録される情報は、各社により多少異なりますが、次の事項になります。
✅ 契約内容
✅ 返済状況の履歴(支払いの遅延の有無、分割返済の残金など)
✅ 事故情報(手形の不渡り・取引停止処分・官報掲載の情報:破産/民事再生など)
信用情報に問題がある場合、借入れの新規契約、契約更新のみならず、保証人になることが難しいです。
信用情報について、次の記事でくわしく解説しています。
参照|信用情報(ブラックリスト)の情報は「削除」できるのか(ローン・クレジットを組むと登録される信用情報機関について解説)
借入れの返済滞納や、自己破産や個人再生、任意整理などの借金整理のための手続をおこなった際に登録される事故情報(信用情報)について、何年登録されるのか、どのような内容が登録されるのか、ご自身の情報がどのように登録されているのか確認する方法などについて解説しています。
家族への影響
自己破産をした方のご家族に、直接悪影響がおよぶことはありません。
ただ、あなたが自己破産することで、間接的にご家族の生活に影響があるかもしれません。
家族との生活の中でなくてはならない財産の処分、職業の制限による経済面の変化により、生活レベルの低下など生活環境が変わる可能性があります。
なお、自己破産手続では、原則として自己破産する方の評価額(価値)20万円以上の所有財産は処分する必要があります。
参照 | 自己破産で処分対象となる可能性のある財産
✅ 持ち家
(不動産競売・任意売却処分で退去、引っ越しを余儀なくされ生活環境が変わる可能性)
✅ 自動車、オートバイク
(① 査定額が一定額以下の場合、② 国産車で初年度登録から一定期間経過かつ新車価格300万円未満の場合には評価額(価値)0円として処分不要の運用をおこなっている裁判所もあります。)
✅ 保険契約
(生命保険や学資保険などの解約返戻金。お子さま名義の学資保険も対象。)
✅ 高価な動産類
(貴金属、宝飾品など)
財産処分以外にも、あなたに職業制限、信用情報の低下が発生することで、家族に次のような影響が生じる恐れがあり、手続きにあたり注意が必要です。
参照 | 自己破産により家族に影響がでるケース
✅ 自己破産する方が職業制限を一時的受けるため、世帯収入が減収する可能性
✅ 自己破産者名義のクレジットカード強制解約により、家族カードも利用不可能になる
(携帯電話などの引落先口座の変更などの対応が必要です)
✅ 子供の奨学金借入れの保証人である場合、新たな保証人を立てる必要がある
(破産により、あなたが保証人から外れるかは契約書の確認が必要です)
✅ 子供の教育ローンの新規借入ができない
✅ 家賃の保証会社利用が必要な賃貸物件への入居時に保証人になれない
(信用情報に事故情報があり、保証会社の審査に通らないため、保証会社と契約不要の物件を探す)
✅ 自己破産により、連帯保証人となっている場合の家族に一括返済の請求がある
家族に迷惑をかけない方法は、それぞれの今ある生活やご家族の考え方により異なります。
持ち家を守りたい場合には自己破産ではなく個人再生手続を選択するなど、ご家族への影響が少ない方法を検討することは可能です。(各借金の整理方法には、利用条件があります。ご状況によっては、利用できない場合があります。詳しくは当事務所までご相談ください。)
自己破産によるご家族への影響について心配な方は、さらに詳しい情報を次のコラムで解説していますのでご覧ください。
参考記事 | 自己破産による家族への影響
自己破産した方のご家族にどのような影響があるのか、家族が生活に困るような状況に陥る可能性があるのかなど、よく相談をいただく内容を中心に弁護士が解説しています。
職場への影響
自己破産をすると、一定の職業につけなくなります(資格制限、職業制限)。
参照 | 自己破産による資格制限
弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、弁理士、公証人、宅地建物取引業者、証券会社外交員、質屋、古物商、風俗営業者、生命保険募集人、損害保険代理店、警備員、建設業者、後見人
ただし、「資格」「職業制限」を回復(復権)することはできます。
破産手続をおこなった場合の復権は、次のとおりです。
① 免責許可決定が確定したとき
② 破産手続同意廃止の決定が確定したとき
(債権者全員による手続き廃止への同意)
③ 破産手続開始決定後に詐欺破産罪で有罪の確定判決を受けることなく10年経過したとき
④ 破産者が借金完済し、裁判所に復権の申立をして認められたとき
なお、業務遂行に資格を必要とされている場合、資格停止期間中は業務をおこなうことができません。
そのため配置転換などがおこなわれることがあります。
また、破産による資格制限で業務を行えなくなったことを理由に、勤務先をクビにされた場合には不当解雇として会社と争う余地はあります。
自己破産により、破産者は一定の財産を処分することが必要と解説しました。
破産後の生活のために、どの程度「お金」の面で影響があるのかについて、さらにくわしく解説します。
生活再建にとって重要な「お金の問題」「破産後の借入れ」について解説します。
原則、破産者本人名義である一定の財産を処分しなければなりません。
ただし、破産法上「現金99万円」「差押え禁止財産(生活に欠かすことのできない家財道具など)」は、破産者の自由財産となり処分は不要です(破産法34条3項1号、民事執行法131条など)。
つまり、生活再建のために一定の財産は手元に維持することができます。
なお、破産者の生活再建のために、上記以外の財産(現金99万円・差押え禁止財産以外の財産。例としては生命保険の解約返戻金などがあります)に対象を広げるための申立をすることも可能です。
これを「自由財産拡張制度」といい、裁判所によって多少制度の運用内容は異なります。
大阪地方裁判所では、破産管財人が自由財産を広げる判断をしますが、破産管財人の選任求める破産手続では、破産管財人の報酬となる予納金として別途約25万円を裁判所に収める必要があります。
自由財産の拡張ができる対象は主に次のものです。
参照 | 自由財産拡張の範囲(※各裁判所により範囲が異なる場合があります)
① 預貯金および信用金庫出資金
(これに準ずる出資金を含む)
② 生命保険解約返戻金
③ 自動車
④ 居住家屋の敷金・保証金
⑤ 電話加入権
⑥ 退職金
⑦ 過払い金返還請求権
処分対象の財産は、基本的に「自己破産する方の名義で、一定以上の価値がある財産」です。
ご家族名義の財産は処分の対象外です。
ただ、第三者名義の財産でも、実質は破産者の財産であるとして処分対象になる場合があります。
たとえば、子どもの教育資金のために子ども名義で作った口座へ破産者が資金提供をしていた場合、実質は破産者の財産として処分対象になります。
なお、退職金について破産時に退職をする必要はありません。
退職金は、会社の退職金規程や退職金証明などをもとに破産手続き開始決定の時点で退職金額を計算し、その一部を債権者への配当するための原資として裁判所に納めます。
退職金の4分の3は差押え禁止財産であるため、実際には4分の1が納付額の対象になります。
ただ、自己破産手続きの運用は裁判所ごとに異なる場合もあります。
東京地方裁判所、大阪地方裁判所などでは、退職金額の8分の1を基準に、その金額が20万円を超えない場合には納付を求められないこともあります。
ただ、退職時期が直近の場合、退職金が受給できないというリスクは低いため、支給予定の4分の1程度の金額を納付するよう裁判所から指示を打受ける可能性があります。
生命保険についても一定の場合に解約をしなくて済むことがあります。
解約返戻金が多い場合には、次の関連コラムで対応方法についてご確認ください。
参照|自己破産で生命保険の解約が必要な場合と、契約を維持するための4つの方法
原則、生命保険は解約します。ただ、例外的に解約を回避し保険契約を維持する方法があります。
公的年金(国民年金、厚生年金など)は差押え禁止財産にあたるため、自己破産をしたとしても受給することは可能です。
また、給与所得に関しても、自己破産手続開始決定後には、給与差押えは失効・解除されます。
これにより、給与全額を受け取ることができるようになります。
なお、自己破産申立後、スムーズにいけば1か月以内には手続開始決定が出ることがあります。
(必要資料がきちんと揃っていて予納金もすみやかに納められている、申立先である裁判所の運用によります)
ただ、給与差押えの解除、会社側の手続きもあるでしょうから、全額を受け取れるまでには時間を要すると考えておくべきでしょう。
自己破産により、破産者名義の契約先については、キャッシングをしていないカードも含め、いずれ使用できなくなる可能性が高いです。
もちろん、破産者名義で契約したクレジットカードに追加して申し込まれた家族カードも同様です。
クレジットカードは破産前に所持していたものは使用停止、破産手続後の新規申込は審査が通らない可能性があります。
ご存知のように、クレジットカードは支払いの先延ばしでしかありません。
できる限り、破産申立前から収入の範囲内で生活できるよう習慣をつくることが大切です。
自己破産後に、二度とクレジットカードを所有できない、住宅ローンを組むことができないかといえばそうでもありません。
破産される際に、よく質問を受けるクレジットカードの新規契約、住宅ローン契約について解説します。
クレジットカード再取得までの期間
破産を理由として、将来にわたりクレジットカードの新規契約ができないわけではありません。
実際に、免責許可決定後から一定期間経過したのち、新規申込に通ったという例はあります。
ただ、審査先の金融機関などの審査基準(外部非公開が基本)があり、単に破産後一定期間経過しただけで、申込が通るかどうかは不確かです。
クレジットカードの再契約についての詳細は、次のコラムで解説しています。
参照コラム | 自己破産後からクレジットカードは使用できるのか。いつ新規契約できるのか。
自己破産により借入れのある会社のカード利用停止はもちろん、借入れのないカード会社の利用も停止になる可能性があります。自己破産によりどこまでカード利用に影響があるのかについて弁護士が解説しています。
住宅ローンの再取得までの期間
基本、住宅ローンの借入金額は高額で、返済期間は長期間にわたるため、厳格に審査されます。
自己破産後に個人信用情報登録機関に事故情報(破産をしたこと)が一定期間登録されるため、登録期間において審査に通ることはまずないでしょう。
これは、個人の自己破産に限らず、任意整理、個人再生などの債務整理の手続きをおこなった場合や、滞納(延滞)などが既に発生している場合にも事故情報が登録されるため、審査には通りづらいと言えます。
なお、住宅ローンに限らず、カードローンやキャッシングの申込、ショッピングローンを組むことは難しいと言えます。
そのため、ご家族の方、ご両親などの名義で申し込みをされることがあります。
なお、この場合でも信用情報登録期間(破産による免責許可決定から7年~10年)において、破産された方が保証人になることはできません。
本当に自宅が必要かどうか、これからの人生における支出(お子さまの進学や結婚など)や現在の世帯年収などをふまえて、安定した生活をどう送るべきかをよく考えることをお勧めします。
破産手続きの大まかな流れは次の通りです。
原則、あなたの住所地、現在の居所の管轄をしている地方裁判所に申し立てます。
必要書類や、裁判所に納める費用(予納金)、郵便切手(連絡用)などを添えて、裁判所へ申立書を提出します。
提出後の書面など内容について審査し、経済的に支払いできない状況(支払不能状態)で、全財産をもっても借金を完済できない場合(債務超過状態)には、破産手続開始決定が出されます。
破産手続開始決定により、申立人(債務者)から破産者となります。
通常は、破産者の財産を管理・処分する破産管財人が裁判所から選任されます。
破産管財人は、破産者の所有財産をお金に換え、債権者に配当をおこないます。
しかし、破産者の財産をお金にかえても、破産管財人の報酬などが支払えない場合には、破産手続開始決定と同時に、破産手続を終了させます。
これを同時廃止事件と言います。
同時廃止事件となった場合には、財産の処分、債権者への配当などの手続きがないため、破産管財事件よりも比較的期間が短く、費用も安く済みます。
なお、同時廃止事件でも、裁判所から一定の財産を処分し配当をおこなうよう指示が出る場合があります。
詐欺破産罪と免責不許可事由
生活が苦しいがゆえに、財産の名義変更や、偽装離婚による財産分与をよそおい財産を隠そうと考えられるかもしれません。
しかし、こうした行為は「詐欺破産罪」として刑罰を受けたり、免責不許可事由に該当するとして「免責決定」が受けられなくなる、といったリスクしかありません。
破産手続では、破産管財人が財産調査をおこないます。
そこで、財産隠し、所有財産を正直に申告していなかったことが発覚すると、免責許可を得ることが非常に困難になります。
なお、免責不許可事由にあたる例としては、財産隠し以外にも① 商品や金券をクレジットカードで購入し現金化する行為(廉価処分)、② 支払不能状態にも関わらず知人・友人・親族にだけ返済をする(偏頗弁済:へんぱべんさい)、③ ギャンブル・賭博や収入に見合わない無駄づかい(浪費等)などが挙げられます。
免責不許可事由については、次のコラムで解説しています。
参照|自己破産申立を行ったのに借金が免除されない「免責不許可事由」とは
自己破産手続きの目的である借金の返済義務免除(免責)。法律に定められている免責が認められない事由について、弁護士が解説しています。
同時廃止や、破産管財事件で手続きが終結などした場合には、免責手続きに移ります。
免責許可決定が確定した時には、一部免責されない債権(税金など)を除いて、借入金などの破産債権は免除されます。
また、職業制限や資格も復権します。
自己破産による悪影響として誤信されているものとして次の点が挙げられます。
事実とは異なりますので、注意が必要です。
参照 | 自己破産でよくある質問と誤解
✅ 戸籍・住民票に破産したことは「記載されません」
(結婚、就職、転職に影響はありません。掲載されるのは官報です。)
✅ 家族・親族に「返済の義務はありません」
(連帯保証人になっている場合を除きます。)
✅ ご家族が「引越し、海外旅行は可能」です
(破産者は、破産手続中は制限されます。)
✅ 「選挙権/被選挙権を失いません」
(破産者、そのご家族ともに公民権を失いません)
✅ 自己破産だけを理由に「クビにはなりません」
(自己破産を理由に解雇された場合、不当解雇として争う余地があります)
✅ 「税金、損害賠償金、養育費など一部の支払い義務は免除されません。」
(生活保護受給者となった場合に減免措置をとることで支払い負担を軽減できる場合があります)
インターネットで公開されている情報が、本当に正しいのか、最新の法律をふまえた内容かなど一般の方には判断がつきづらいと思います。
だからこそ、弁護士に相談することで、あなたの実情や希望に応じた法的に正確で具体的なアドバイスを受けられるというメリットがあります。
当事務所でも、① ご事情の聞き取り、② 具体的な解決策のご提案、③ 何から手をつけていくべきか(今後の対応方法)、④ 個別のご質問への回答などを、初回無料でおこなっています。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
借金の代表的な法律相談先は、弁護士会、司法書士会、各法律事務所や司法書士事務所があります。
相談料は無料としているところが多いです。
なお、各相談先で借金整理の支援サービスを受けることもできます。
司法書士は裁判書類の作成もできるため、借金問題の法律相談をおこなっていることがあります。
弁護士と司法書士では、自己破産手続きに関与できる範囲が異なる為、法律相談におけるアドバイスの内容、サポート内容に違いが生じる可能性があります。
ポイント
弁 護 士「安い」
司法書士「高い」
各裁判所の運用により、弁護士とそれ以外の申立で破産管財人の費用額が変わることがあります。
例 東京地方裁判所
・弁護士が代理人の場合少額管財利用が可能 20万円
・司法書士に書類作成依頼で通常管財事件 50万円
ポイント
弁 護 士「◎ 広範囲」
司法書士「▲ 範囲は限定的」
弁護士は本人の代理人としてすべての手続きをおこなうことができます。
司法書士は申立書の作成にとどまり、本人が申立てをおこないます。
そのため手続き負担に大きな違いがあります。
司法書士は書類作成のみ代行するため、弁護士よりも依頼費用が安く済む可能性があります。
しかし、弁護士依頼の場合にのみ簡単な手続きが利用でき裁判所費用が安く済む場合もあるため、結果的には司法書士に依頼するよりも弁護士に依頼した方が安くすんだ、ということにもなりかねません。
また、サポートの範囲、裁判所へ納める費用に違いがあるため、個別のご事情に応じてどちらが良いかを検討することが大切です。
最終的に「免責許可決定を獲得する」というゴールは同じですが、手続き負担、費用負担に違いがあるということが、弁護士に依頼するか、司法書士に依頼するかを検討するにあたってのポイントとなります。
自己破産は、借金の返済義務が免除される代わりに、財産の処分など一定の不利益が発生します。
また、財産隠し、不当に安い価格で財産を処分するなど申立前にやってはいけないこともあるため、注意が必要です。
たちばな総合法律事務所では、生活再建に向けて、借金整理の手続きを安心してスタートできるようサポートをおこなっています。
借金の減額、借金返済の免除についての法律相談を随時実施中です。
負債額が大きくなりがちな法人代表者の方は、電話でも相談可能です(10分の簡易相談です)。
(個人の方はご来所による、ご相談は初回無料です。)
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借金整理には、さまざまな解決策があります。
どの解決方法が良いかも含め、破産管財人の経験を持つ実績多数の弁護士が、しっかりとアドバイスさせていただきます。
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