自己破産で住宅ローンはどうなる?持ち家を守るために知っておきたい全知識
個人破産
2026 . 03.2
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2026 . 03.2

目 次
自己破産をすると、原則として住宅ローン返済中の家は手放すことになります。
しかし、個人再生や任意売却など、状況によっては家を守る、あるいは有利に手放す選択肢も残されています。
本記事では、自己破産時の住宅ローンや持ち家の扱いについて、オーバーローン・アンダーローンの違いや、いつまで家に住めるのかといった具体的な仕組みを解説します。
借金問題の解決に向けて、どのような債務整理を選ぶべきか迷っている方は、専門家へ相談する前の正しい知識としてお役立てください。
結論として、自己破産をすると「持ち家」は売却処分されます。
持ち家を担保にして「住宅ローン」などの借金がある場合、自己破産をすると金融機関によって抵当権が実行され(競売)、家は処分の対象となります。
なお、担保が付いていない持ち家は、裁判所が選任する破産管財人が売却処分をおこないます。
売却手続きには一定の時間やステップが必要であり、自己破産を申し立てたからといって翌日にすぐ退去しなければならないというわけではありません。
自己破産前に、適切な情報をもとに落ち着いて対処することが重要です。
連帯保証人やペアローンなど、他者が絡んでいるケースでは影響範囲が広がりやすい点にも注意が必要です。
自己破産の手続きに入る前に、まずは自分の住宅ローンの残額と物件の評価額、さらには保証人の有無などを整理しておきましょう。
オーバーローンとは、家の時価よりも住宅ローン残高が大きい状態を指します。
多くの場合、競売や任意売却後のローン残債は免責(支払い義務の免除)の対象となります。
アンダーローンは、家の時価が住宅ローン残高を上回る状態を指します。
この場合、あなたが所有する家を売却すれば住宅ローンを完済できる可能性がありますが、売却後に残る余剰分は破産財団に組み入れられ、他の債権者への配当に回されます。
住宅ローンを完済している場合、管財人による売却後、換価したお金は財団に組み入れられ、債権者に配当されます。
自己破産では高額資産(一般的に20万円以上の価値がある財産)は処分対象になります。
本人が自己破産をした場合、主たる債務者が支払不能に陥ったという事実に基づき、連帯保証人やペアローンの相手方に残債の一括請求が行われます。
一方で、連帯保証人自身も返済できないのであれば、債務整理を検討せざるを得ません。
家族や保証人に事前連絡をするなど、相手との信頼関係を保ちながら、早めに専門家へ相談することが重要です。
電話相談 [10分]・来所相談 [60分]による弁護士相談を実施しています。
なお、電話相談は平日9時~17時にお電話下さい。
住宅ローンの返済が困難になった場合、自己破産だけが選択肢とはなりません。
自己破産以外の方法で家を残せないか、あるいは有利に売却できないかを検討してください。
特に、家を手放す場合でも「競売」を避け、「任意売却」を選択することで、売却価格や退去時期の面で大きなメリットを得られます。
任意売却の方が競売よりも高値で売却できる可能性があるため、残債の負担を軽減できることがあります。
また、競売では売却価格が下がりやすく、手続きが裁判所の判断にゆだねられるため、希望に沿った条件が通りにくいケースも見られます。
売却を有利に進められるかどうかは、金融機関との交渉や家の換価価値にかかってきます。
競売は裁判所の定められた手続きに従い、物件が売却されます。
市場価格よりも低い価格で落札されることが多く、売却額や退去時期を自分でコントロールすることが難しい点がデメリットです。
一方で任意売却は、債権者(金融機関)の合意を得ながら一般市場で売却できるため、売却価格や引っ越し時期について柔軟に調整しやすいというメリットがあります。
引っ越し費用の控除を交渉できるケースもあります。
自己破産をしても、申し立てた翌日にすぐ退去を求められるわけではなく、実際には数ヶ月〜半年程度は家に住み続けられます。
家の売却手続き(破産管財人による査定や競売・任意売却の手続き)が完了するまでには一定の期間がかかります。
この猶予期間を最大限に活用し、弁護士と相談しながら引っ越し先の確保や家財整理を計画的に進めることが重要です。
通常は破産管財人が物件の価値を査定し、売却方法を判断します。
競売に移る場合は入札期間など決まった手順を踏むため、希望通りの時期に売却が進むとは限りません。
任意売却の場合、売却活動開始から買い手がつき、決済・引き渡しが行われるまでに早くて3〜6ヶ月程度かかります。
競売の場合は、裁判所からの開始決定通知から実際の明け渡しまで半年〜1年程度かかることもあります。
とはいえ、手続きには一定の繰り返し書類確認や査定期間があるため、少なくとも数か月の間は住まいを確保できることが一般的です。
自己破産手続きを行う前や最中に、家を守りたいからと故意に配偶者や子供へ名義変更をしたり、財産隠しを行うことは絶対に避けるべきです。
これらの行為は破産法における「免責不許可事由(破産法第252条)」に該当し、自己破産をしても借金がゼロ(免責)にならなくなる可能性があります。
加えて詐欺破産罪といった重い刑事罰を科される可能性もあり、問題解決への道のりがむしろ遠くなってしまいます。
自己破産を回避し、家を残したまま債務を整理するには、複数の方法を検討する必要があります。
住宅をなんとしても手放したくない場合、個人再生や任意整理を利用すれば、住宅ローンを継続して支払いながら他の借金を調整できる可能性があります。
どの方法が最良かは、借金総額や収入状況、将来の収支見込みなどによって異なります。
リースバックや家族による買取など、資金力や家族の協力が求められる方法も存在します。
いずれにしても、専門家へ相談してからプランを組むことで、より現実的に家を残す方法を探れるでしょう。
個人再生の制度では、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用することで、住宅ローンを除いた借金を大幅に減額(圧縮)しながら、家は残すことができます。
一定の要件(本人が居住していること、住宅ローン以外の抵当権がついていないことなど)を満たす必要がありますが、家を担保にしたローンはそのまま支払い続けることで保有を継続できる点が最大のメリットです。
他の債務から優先して住宅ローンを守るためにも、まずは条件や手続きの流れを理解しておきましょう。
任意整理では、整理する対象の借金を選ぶことができます。
そのため、住宅ローンを整理対象から外し、ほかの借金についてのみ返済条件を見直すことができます。
これによって、住宅ローンはこれまで通り支払いつつ、消費者金融やカードローンなどの将来利息のカットや返済期間の延長について交渉します。
ただし、一般的には元本そのものは減らないため、根本的な借金問題の解決にならないケースがあります。
家を不動産会社などの第三者へ売却して名義を変え、自分は家賃を払う賃借人として住み続ける「リースバック」という方法もあります。
また、物件を購入してくれる人が身近にいれば、親族や友人による買い取り(任意売却の一種である親族間売買)も現実的な選択肢です。
ただし、買取資金の確保や、適正価格での売買条件の調整などが必要ですので、すべての人が容易に利用できるわけではありません。
電話相談 [10分]・来所相談 [60分]による弁護士相談を実施しています。
なお、電話相談は平日9時~17時にお電話下さい。
自己破産後、一定期間(約5年〜7年)が経過すれば、再び住宅ローンを組める可能性はあります。
自己破産を行うと信用情報機関に事故情報が登録(いわゆるブラックリスト入り)されるため、登録期間中は住宅ローンの審査には通りません。
ただ、登録期間経過後に必ず、住宅ローンの審査に通るわけではありません。
持ち家の再取得を目指す場合は、頭金を貯めるだけでなく、安定した収入を証明できることが非常に重要です。
ローン審査では勤務形態や勤務期間も重視されるため、再スタート後は転職回数の抑制や定職への就業など、長期的な計画が必要となるでしょう。
自己破産をしたという事故情報は、信用情報機関に5年〜7年程度登録されます。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)やJICC(日本信用情報機構)では免責許可決定から約5年、銀行系の信用情報機関である全国銀行個人信用情報センター(KSC)では破産手続開始決定から7年間登録されます。
登録期間が明けることで新たなローンを検討できる余地はありますが、金融機関によっては独自の審査基準を設けているため、審査結果は一律ではありません。
事故情報が抹消された後でも、自己破産の影響が残ります。
金融機関によっては、与信審査において過去の経緯を重視する場合があります。
信用情報が真っ白な状態(スーパーホワイト)は、逆に過去の金融事故を疑われる要因にもなります。
それでも対策を行うことで、審査通過率を高められる可能性があります。
具体的には、携帯電話の端末代金の分割払いや少額のクレジットカード利用などを通じて、クリーンなクレジットヒストリー(クレヒス)を再構築しておくことが有効です。
自己破産後は特に審査が厳しくなります。
信用情報の回復だけでなく、年収や勤続年数など、一般的な審査項目においても良い評価を得られるよう、安定した就労状況を作っておくことが大切です
頭金を多く用意できれば、銀行などの金融機関が貸付けの際に負うリスクが下がる分、審査が通りやすくなる可能性があります。
借入額だけでなく、年収に対する年間返済額の割合である「返済負担率」を低く抑えることができます。
住宅ローンを一度に複数の金融機関へ申し込むと、信用情報機関に申し込み履歴が残ります。
立て続けの信用調査が行われて「資金繰りに困り焦っている」「他社で審査に落ちたから申し込んできている」と判断されるリスク(申し込みブラック)があります。
結果的に全ての審査に落ちる可能性が高まるため、気になる金融機関が複数ある場合でも申し込みのタイミングをずらす、あるいは事前審査の感触を確かめながら慎重に進めるのもひとつです。
自己破産手続きの際に債権者であった金融機関について、信用情報機関のデータが消えていても、自社データに事故情報の履歴が残っている可能性があります。
いわゆる「社内ブラック」と呼ばれる状態で、履歴の残る銀行や系列の保証会社からの借入れは困難です。
経済的理由で弁護士費用の捻出が難しい場合は、法テラス(日本司法支援センター)や、自治体の無料相談窓口の利用をご検討ください。
所得や資産が一定基準以下であれば、弁護士費用の立替え制度(民事法律扶助業務)を利用できる可能性があります。
公的窓口を活用することで、費用負担を抑えつつ、早期に専門家のアドバイスを受けられます。
自己破産と住宅ローンの問題は複雑ですが、正しい知識と専門家のサポートで対処が可能です。大切なのは、早めの情報収集と行動です。
周囲に相談しづらい問題こそ、信頼できる専門家に任せることで、的確なアドバイスを得られます。
できるかぎり早い段階で手続きを検討し、ご自身の状況に合った債務整理方法を選択すれば、家を守れる可能性も高まります。
たちばな総合法律事務所では、個人・法人の借金問題の解決に向けたサポートをおこなっています。
また、無料法律相談(初回)を実施しています。
具体的なご事情を丁寧にお伺いし、具体的な解決に向けた解決策をアドバイスしております。
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