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韓国籍・中国籍でも、日本の裁判所で自己破産申立することは可能か


個人破産

2020 . 09.12



0.はじめに

日本に居住する外国籍の方において、日本国内の金融機関、消費者金融などで借入れをし、返済が難しい場合に自己破産申立をすることは可能でしょうか。

このコラムでは、外国籍(韓国・中国など)の方が自己破産申立することは可能かどうかなどについて解説します。

1.外国籍の方でも、日本の裁判所に自己破産申立することは可能

結論として、日本に居住などを有する外国人であれば、日本人と同様に自己破産申立てすることは可能です(破産法3条、4条)
これは外国法人であっても、日本法人と同一の地位であると破産法上明記されています。

なお、自己破産したとしても、① 強制送還されることはなく、② 在留資格を取り消されることはありません

参照:破産法

(外国人の地位)
第3条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する(破産事件の管轄)
第4条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる
2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。

自己破産申立の書式は各裁判所で用意されていることがあります。
例えば、大阪地方裁判所の書式においては、特に日本人、外国人の別に関係はなく、外国籍かどうかの記入箇所があるだけで申立書の内容に大きな違いはありません。

 (参照:大阪地方裁判所・破産手続開始申立書 同時廃止用)

大阪地方裁判所 自己破産申立書書式サンプル

大阪地方裁判所 自己破産申立書書式サンプル

2.債務超過かどうかは外国財産も含めて検討される

日本人か外国人であるかに関係なく、自己破産申立において外国に在る資産も含めて、債務超過かどうかを裁判所は判断します。

参照:破産法

(破産財団の範囲)
第34条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 ※ 「破産財団」とは、破産者の財産のこと。破産手続きにおいて、破産管財人(裁判所から選任された、破産者の財産を管理処分する権利を有する者)が、破産者の財産を処分しお金に換え破産財団を形成します。

ここで、特に問題となりやすい次の点について、予め整理しておく必要があります。

財産関連
出身国などに海外資産(預金/不動産/動産/保険など)があるかどうか
出身国で財産を相続していないか

負債関連
① 出身国など海外において、債権者(個人/法人)はいないか
※ 海外に債権者がいる場合、その連絡先をまとめる


これらの証拠となる資料の調査・収集を裁判所から求められる可能性があります。
そのため、申立前において、しっかりと調べたうえで自己破産申立にのぞむ必要があります。

3.在留資格との関係

外国籍の方が日本で破産・民事再生を行った場合であったとしても、それのみで強制退去となることはありません
強制送還される場合は犯罪を犯したときですので、破産等の有無は無関係です。「これはこれ」「それはそれ」の世界です。

次に、永住権等については一定の考慮が必要です。

確かに、破産・民事再生自体が永住権等に影響を与えることはありません。
したがって、すでに永住権を得ている人には問題がありません

しかしながら、これから永住権を取得しようとしている人は留意する必要があります

すなわち、永住権の取得には「日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。」という要件を具備する必要があるのですが(法務省「永住許可に関するガイドライン」参照)、破産により安定した生活が見込まれないと判断されるおそれがあります

したがって、永住権を取得しようと考えている方は、永住権の取得を破産等の申立に先行する必要があるといえます。

4.まとめ

以上のように、破産法上も在留外国人の方であっても日本人同様に自己破産申立を行うことが可能です。
但し、海外に財産がある、債権者がいるような場合には、手続きの終了まで時間がかかることが予想されます。

そのため、事前の調査などしっかりと行い、手続き自体がスムーズに進むよう準備することが大切です。
このような場合には、一度お近くの弁護士までご相談ください。

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